内視鏡Q&A

内視鏡をどこで受けようかと探しておられる方へ

Q:総合病院の方がどんな検査・治療でもできるし、やっぱり安心?
A:観察して組織検査をするだけなら、総合病院でも開業医でも変わりありません。
確かに、高度な治療は病院にしかできませんので、何か重大な病気が見つかれば開業医から病院に紹介することもあります。ただ、実際に病気がある方は非常に少ないので、異常があるかないかを調べるだけなら開業医でも十分だと思います。
また病院だからといって安全に検査を受けられるわけではありません。
Q:病院なら腕の確かな先生にみてもらえる?
A:病院には優秀な医師もいますが、それ以上に研修中の医師も多いです。特に実績のある総合病院ほど若い医師が集まります。総合病院は医療を行うと同時に未来の優秀な医師を育てる教育の場でもあるのです。
ですので、部長、中堅、研修医の誰に内視鏡をしてもらうかわからないのが病院でもあります。
当院は内視鏡検査・治療に関して十分な実績を有しており、安心して検査を受けていただけます。
 

経鼻内視鏡

Q:口からの内視鏡(普通の胃カメラ)と経鼻内視鏡の違いは?
A:「口から入る」、「鼻から入る」、「経鼻内視鏡の方が細い」以外に、鼻からの内視鏡の一番の特徴は、検査が苦しくない、苦痛が少ない、と言うことです。
以前の経鼻内視鏡は通常の経口用内視鏡と比べて解像度(ものが鮮明に見える具合)が低かったのですが、当院で採用しているレーザー光を用いた経鼻内視鏡は、解像度の点でも経口用内視鏡と差がありません。経鼻内視鏡では入院が必要となる内視鏡治療には使用できませんが、病気を見つけて組織検査(生検)を行うには十分な機能を有しています。
Q:経鼻内視鏡は苦しくないですか?
A:経鼻内視鏡は苦しくないという話ばかりが先行して、注射を受けるよりも苦しくない、まったく症状がでないと思って受診される方がおられます。
経鼻内視鏡は従来の内視鏡と比べて楽なのは事実ですが、全く症状を感じないわけではありません。よく言われるのは鼻の奥の痛みです。
鼻の奥をスコープが通過して刺激するわけですから、鼻の奥が狭い方(特に女性に多い)では症状が出やすくなります。しかし、過去に口からの内視鏡を経験された方で経鼻内視鏡を受けられた方は、全員経鼻内視鏡の方が楽だと言われています。
Q:検査はいつできますか?
A:検査は診療時間内(土曜日は除く)で午前中に3〜4件行っています。
Q:食事の制限はどうなっていますか?
A:
【午前中検査の場合】
前日までは普段どおりで、当日の朝食は抜いていただきます。 水分は透明なもの(水、お茶、ポカリスエット程度)であれば、検査1時間前までは飲用可能です。
Q:お金はどれくらいかかりますか?
A:内視鏡検査だけですと4500円程度(3割負担の場合)、組織を調べる検査を追加すると8500円〜12000円(3割負担の場合)程度となります。
保険診療で値段は決められていますので、どこの施設で受けられてもこの金額に大きな違いはありません。
 

大腸内視鏡

Q:どういうときに検査をした方がよいですか?
A:
(ア) 大腸癌検診、検便の検査で1回でも陽性が出た場合は、精密検査として大腸内視鏡検査(肛門から一番奥の盲腸まで観察)が推奨されています。検便を再度行ってはいけません。「陰性」に異常なしの意味はないからです(病気があっても陰性になることはよくあります)。
(イ) 便に血が混じる方、最近になって便秘または下痢になり、その後も治らない方は、慢性の腸炎や腫瘍(しゅよう)性の病気がある可能性があります。
(ウ) 親、兄弟に大腸癌の方がいる場合は大腸癌になる確率が高いですので、機会を見て一度は大腸内視鏡検査を受けられた方がよいでしょう。
(エ) 過去に大腸ポリープ(早期大腸癌を含む)を治療したことがある方は、定期的に内視鏡検査を受けることをお勧めします。
Q:検査当日の流れを教えてください。
A:
(1) 検査前日には特に制限はありません。
(2) 当日は朝から絶食で、8時半頃よりご自宅で水薬の下剤を飲んでいただきます。2時間程度で飲んでいただきますが、その間に便が出始めて、透明な液だけが出るようになれば前処置は終了です。
(3) 10時半頃に当院看護師から前処置の具合を確認するために電話を差し上げます。
(4) 予約の時間に来院してください。
(5) 麻酔を希望された場合は、当日は自動車を運転することができません。必ず家族の方のお迎えをお願いいたします。
Q:麻酔は使ってもらえますか?
A:当院では麻酔をかけなくても全大腸内視鏡を行えるだけの技術と自信がありますが、不安が強かったり、過去の検査で痛い思いをされた方などには麻酔を使って寝ながら検査を受けていただくこともできます。
Q:治療はできますか?
A:内視鏡的にとれるポリープ(早期癌を含む)であれば、ほとんどのものは当院でとることが可能です。
但し、出血の可能性が高いものについては総合病院にお願いすることにしています(全症例の0.05%以下)
Q:お金はどれくらいかかりますか?
A:
(ア) 内視鏡検査だけですと6000円程度(3割負担の場合)ですが、組織を調べると個数によって(とった場所の数によって)9000円から15000円程度(3割負担の場合)になります。
(イ) ポリープをとった場合は18000円から28000円程度です(3割負担の場合)。
(ウ) 麻酔を使った場合はこの金額より3000円前後増えます。
保険診療で値段は決められていますので、どこの施設で受けられてもこの金額に大きな違いはありません。
 

内視鏡の洗浄消毒

Q:内視鏡はきちんと消毒されていますか?
A:内視鏡は大変高価(1本で大型セダン約1台分)であるため、たくさんの本数を所有することは困難です。そのため少ない本数でたくさんの患者さんの検査を行うために内視鏡の消毒を毎回は行わず、短時間の洗浄のみで内視鏡を使い回すことが以前は一般に広く行われていました。
私は前勤務先である加茂病院で、1996年に1例毎の内視鏡洗浄消毒法を全国に先駆けて導入しました。
その先駆的な取り組みにより内視鏡メーカーや消毒薬メーカーの依頼で内視鏡の正しい洗浄消毒導入のための講演を全国で約10年間行い、その普及に努めてきました。
当院では開院以来、すべての内視鏡を毎回、きちんと洗浄消毒することにしてありますので、安心して内視鏡検査を受けていただけます。