ポリープ

「ポリープ」とはいぼ状に突出した病変を示し、良性か悪性かを問いません。
そのため、検査でポリープと診断された場合は、顕微鏡などでその悪性度を調べて、良性か悪性かの判断をします。

医療の現場では悪性の度合いを、1(全くの良性)〜5(悪性:癌など)までの5段階に分類(Group分類)し、診断するのが一般的です。
消化器疾患のポリープとしては、口から肛門までの消化管(食道、胃、小腸、大腸)と胆のうにポリープができますが、ここでは検診などでよくチェックされる「胃ポリープ」「大腸ポリープ」「胆のうポリープ」について説明します。

胃ポリープ

胃ポリープ 胃ポリープのほとんどは良性の胃底腺ポリープです。

大きくなると血流が豊富となり出血する可能性が出てきますが、癌化することはほとんどありません。そのため、胃透視(バリウム)検査では「経過観察」となることが多くなります。

治療の必要なポリープに「腺腫」というものがあります。
これは大きくなるに従って悪性化してくることが知られていますので、定期的な内視鏡検査か内視鏡治療が勧められます。

頻度は少なめですがポリープ型の癌もあります。

大腸ポリープ

大腸ポリープ 大腸のポリープも胃と同様に良性(過形成性ポリープ・Group-1)〜悪性(癌・Group-5)までありますが、 胃と違って「腺腫」(Group-3)が多いのが特徴です。

腺腫は良悪性の中間に属しますが、大きくなるに従って癌化することが知られています。
実際、直径が1cmを超えてくると癌化の確率が高くなってきますので、1cmより小さくても腺腫であれば内視鏡治療することが勧められています。

胆のうポリープ

胆のうは胆石ができる場所として有名ですが、一般の方にはどのような臓器かはよく知られていません。肝臓の下側にある、胆汁という消化液をためておく袋状の臓器です。

検診などの超音波検査(エコー)で胆のうは観察しやすいため、胆石以外にポリープが見つかることもよくあります。
胆のうポリープはほとんどがコレステロールポリープと言って良性のものです。

胆のう癌と区別する必要のある病気ですが、胆のうポリープのほとんどはコレステロールポリープと言っても過言ではありません。
実際、胆のう癌は消化器系のガンの中ではとても頻度の少ないものですので、胆のうポリープが見つかっても、ガンを疑わなければ放置しておいてもかまいません。